色々と物議を醸したハンブルクでのG20が閉幕した

昨日2日間に渡って催されたG20サミットが閉幕した。この間もともと予想されていたが、G20に反対する一部の暴力的な左翼が建物や車などをひたすら破壊し、警察はこれを完全に防ぎ切る事が出来なかった。実際にかなり凄惨な破壊行為だったらしく、現在のハンブルクは写真や映像で見るかぎりまるで戦争の後のような姿を晒している。市民のインタビューなどを聞いても

「私はX十年以来ハンブルクに住んでいるけれど、こんなの初めて」というコメントをよく聞いた。ドイツ及び外国から迄も大量の警察を動員し、莫大な費用や労力を費やし都市を戦場のようにしてまで、このようなサミットを開催する意味があったのか誰もが疑問に思うのが当然だ。

今回G20の開催地がハンブルクになったのは、首相であるメルケルのたっての希望であると言われている。これには、彼女自身がハンブルク出身である事と同時に、欧州以外の国にとってハンブルクはドイツの玄関口であり、開かれたリベラルかつ自由闊達な都市として知られ、ドイツが進める自由貿易主義のシンボル的な意味合いが含まれていると言われる。

私も何度か行った事があるが、保守的なバイエルンとは雰囲気が全く違う。海に近い交通の要綱であり、メディアの中心地でもある。メルケルはこの開かれた街でエルドアン、トランプ、プーチンらを迎え入れる事を希望した。

また、G20のサミットは基本的に大都市でしか開催できないと言われている。世界各国からの要人に加え、多くの補佐役やジャーナリストなどが来訪する為、これに耐えうるインフラ及び宿泊施設が必要だからだ。これは田舎でも開催できるG7と異なる。

しかし、残念ながらこれは見ての通り、治安面では完全な失敗だったと言える。ハンブルクは歴史ある美しい街であるが、残念ながら醜い姿を世界に晒してしまった。これはドイツにとって非常に喜ばしく無い事実である以上に、ハンブルクに住んでいる人々にとって許し難い暴挙であろう。

とりわけ、今回G20が催されたハンブルク・メッセのすぐ側にはRote Floraと呼ばれる旧映画館があり、これは暴力的な過激左翼の巣であるそうだ。当然”Welcome To Hell”をはじめとした名前からして暴れる事だけが目的と思われるデモは禁止したいところだが、そのような推測だけでデモは禁止できない。健全かつ平和的な反対活動は社会が極端な方向に行かない為に必要であるし、その権利は誰にでもある。

そう言う訳で今回のような非常事態が発生する事は予想されていた。にも関わらず敢えてG20をそのすぐ側に招致し、収集のつかない混乱と破壊を招いた事は、警察の対応も含めて「仕方ない」では済まされないだろう。

そもそも、20カ国の首脳が集まりたった2日間で何を話し合い、何を解決するのか。はっきり言えば、そう言う意味では大して期待できない。どうせ表面的な話し合いで、お互いのエゴを主張して終わりと思われる。

しかし、我々は皆人間であり、顔を合わせて話す事により理解できる事は間違いなく存在する。トランプはテレビで見るのとは全く印象が異なるとプーチンが言っていたように、仮に何も決定できなくても、来る前とは全く異なる印象を持って帰り、以前とは違った視点を持てるようになる。

実際にはプーチンとトランプは予定を大幅に超えて2時間以上も会談し、シリアでの一部停戦に合意した。これは世界にとって僅かながらの朗報だろう。世界の問題の幾つかはこの両国でしか解決できない事がある。限られた時間でもこのタイミングでこの2カ国が会合できる機会があった事は、肯定的に捉えて良いのではないか。また、このグローバル化し、複雑化した国際社会では一部の先進国だけでなく、多くの発展途上国の関わりも必要になってくる。多くの反対がありながらもG20は今後も重要視されるだろう。