ルフトハンザに挑み、食われてしまうエア・ベルリン

先週ついにエア・ベルリンが破産申請をした。ドイツ第2の航空会社が破産申請したわけだから、それは大きな影響があるわけだが、この運命は遅かれ早かれ避けられないものと見られていたので殆ど驚きはない。今年に入ってから穴の空いた飛行機を飛ばそうとしたり、遅延や欠便、荷物の紛失が頻繁に発生していたので、もう末期だと誰もが感じていただろう。

エア・ベルリンが設立されたのは1978年で、もともとチャーター便のみを西ドイツからリゾート地に飛ばしていたのみで、2機の飛行機と150人の従業員だけだった。しかし、1991年にヨアヒム・フーノルドが株式の82.5%を所有すると、エア・ベルリンは拡張路線に転じた。フーノルドは徹底的なコスト削減を実施して現在の格安航空会社の先駆けとなり、最盛期には週に300回もマヨルカに便を飛ばすまでに成長した。

しかし、ここからが転落の始まりだったと言われている。エア・ベルリンは短期間のうちに次々と他の航空会社を買収し、中長距離路線の便も飛ばすようになった。格安航空会社からルフトハンザに対抗する巨大航空会社になろうと試みたのだ。

しかし、この短期間での無謀な拡張路線は莫大なコストがかかった上にエア・ベルリンの格安航空会社としての強みを失わせる結果となり、2008年以降莫大な赤字を出すようになる。2011年以降は幾人もの新しいCEOが経営再建を試みたが失敗に終わり、ついに大株主のエティハド航空も白旗を上げて破産申請に至った。

今回の破産申請に対しドイツ政府は税金を投入し、取り敢えず3ヶ月間エア・ベルリンはまだ運行することができる。折しも現在はバカンスシーズンの真っ只中であり、多くのドイツ人が飛行機で外国に飛んでいる。破産申請のため飛行機が飛ばないと多くの人々が取り残され、自力で飛行機を探して帰還する羽目になるからだ。

もちろん、いくらドイツ第2位の航空会社とはいえ、このような多額の税金の投入は前例がなく批判もある。ちなみに2001年にスイス航空が倒産した時には、従業員も乗客も自前で新たなチケットを取らなければならなかったそうだ。エア・ベルリンはまだ3ヶ月間運行するとは言え、今後チケットを取った場合、予定通り運行するかはまだ不透明だとのことだ。

さて、このエア・ベルリンが今後どうなるかが現在注目されているが、大部分がルフトハンザに買収されることが確実視されている。ルフトハンザは元々このエア・ベルリンの買収にを興味を持っていたが、エア・ベルリンの多額の負債がネックになっていた。しかし、今回政府が大量の税金を投入した事により、その意味で買収のハードルは低くなった。

ルフトハンザが国際的に更に強大になりそのシェアを上げる事を政治的に目論んでいると言われているが、そうなると一部の国内の路線はルフトハンザの独占状態になり、市場での競争原理が著しく減退すると見られている。そう言う訳で色々と反対意見も出ており、買収はカルテル法上厳密に審査された上で実行されるだろう。今後の展開が注目される。