超人的ゴールキーパー、マヌエル・ノイアーの弱点

私が思うに、FCバイエルンのマヌエル・ノイアーはその能力から言えば史上最強のゴールキーパーだ。確かにブッフォンやカシージャスはその実績と経験から言えばノイアー以上に偉大だろう。

しかし、ノイアーは190cmを超える長身に屈強な体格、精度の高いキックに、とんでもない飛距離のハンドスロー、素早く驚異的な反応、快足を活かした飛び出し、フィールドプレーヤーさながらの足技など、私から言わせればこれまでに存在した事もない化け物級の能力の持ち主ではないか。

若い頃はリスキーな飛び出しでハラハラさせる場面もあったものの、最近はそのアグレッシブな守備を損なう事なく安定したプレーを続けており、顔つきも大人びて精悍なものになった。FCバイエルンでラームの引退後最も頼りになる選手だ。

まずノイアーについて私が最も印象に残っている試合を挙げるならば、2011年CLでのマンチェスター・ユナイテッド戦だ。この当時ノイアーはまだシャルケに所属しており、この試合シャルケは予想通りマンUの一方的な攻撃に晒され殆どサンドバッグ状態だった。

このマンUのシュートの雨あられを驚異的なセーブを連発して防いでいたのがノイアーだった。シャルケは最終的に2-0で敗れたものの、そのパフォーマンスに当時のマンUの名将、ファーガソンも舌を巻き、当時のノイアーの評価を世界的に大きく高めた一戦だった。確かこの年にFCバイエルンに移籍したと記憶している。

更に圧巻は2015年のドルトムント戦だ。ノイアーはこの試合でロイスのフリーキックを横っ飛びでしかも片手でキャッチするという、もはや人間とは思えないプレーを披露した。あんな超人的なプレーは後にも先にもお目にかかれないであろう。ノイアーは議論の余地のないドイツNr.1ゴールキーパーであり、その地位は現在アンタッチャブルと言って良い。

しかしそのノイアーであるが、今年に入ってから怪我に悩まされている。先週は再び左足の中足骨の骨折が判明し、今期前半戦の欠場が決定した。そして気になるのはノイアーの足の骨折はこれが初めてではない事だ。この箇所は今年の3月に既に僅かなヒビが入っており、この時はボルトで固定して試合に出場した。超重要な試合であるCLのレアル・マドリー戦に出場する為だ。しかし、この試合でノイアーは再びこの箇所を骨折してしまい、シーズンの残り試合を欠場するに至った。

その怪我は8月の終わり頃には完治したと見られており、8月26日のブレーメン戦では試合に復帰し、その翌週のドイツ代表にも召集されると思われていた。しかし、監督のレーヴはノイアーの召集を見送った。これにはノイアー自身も驚いたらしく、自らは試合に出たかったと漏らしていたが、結果的にレーヴの目は正しかった。ノイアーは既に述べた通り先週のトレーニング中に再び左足の同箇所を骨折したことが判明した訳だ。

遡れば、既にシャルケ時代の2008年にノイアーは反対の右足の中足骨を骨折しており、この時も外部からの衝撃なしに骨が折れたそうだ。この時の記憶からノイアーは今回も左足の同箇所が骨折した事がすぐにわかったらしい。

スポーツ選手が同じ箇所を怪我をする事はよく聞く話だが、ノイアーの場合、右足の同箇所を骨折している事からしても、その超人的な身体能力とフィールドプレーヤーさながらのアグレッシブな守備で慢性的にこの箇所に負担をかけているのかもしれない。スポーツ選手に限らず誰でも自分の身体には怪我や痛みが発生し易い箇所というのがある。持って生まれた身体上の性質だけでなく、日頃の姿勢や動き方に癖があるからだろう。

順当に行けばノイアーは来年の1月に復帰する事になっており、シーズン後半の大事な試合やロシアW杯には間に合う予定だ。しかし、その後以前と同様のパフォーマンスを維持できるのか個人的には若干気になる。そのプレースタイルが極めてアグレッシブで身体への負担が大きいと思うからだ。長く現役生活を続ける為にも、今後年齢を経るにつれ身体に負担のかからないプレースタイルへの移行は必須かもしれない。

そう言う意味でも、40歳となっても未だ最高峰のレベルで活躍するブッフォンは偉大だと言わざるを得ないだろう。普通に考えればノイアーはまだ31歳で衰えるにはまだ早いが、この怪我が慢性化するのだけは是が非でも避けて欲しいところだ。

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