ドイツ鉄道、ベルリン〜ミュンヘンの新路線開通でいきなり2時間遅延する

明日ドイツ鉄道の歴史的なプロジェクトとも言われるベルリン〜ミュンヘン間の新路線の運行が本格的に開始される。これにより今まで6時間の移動時間が最短で4時間になるだけでなく、バイエルンから旧東ドイツ主要都市への移動時間が軒並み短縮される。昨日は開通の記念としてミュンヘン〜ベルリン区間を往復で特別運行が実施された。

このICEには総勢およそ200人の賓客とジャーナリストが乗っており、賓客の中には短時間ながら首相のメルケルも含まれ、ベルリン中央駅は花火でこのICEを出迎えた。これだけでもこの新路線の期待度の大きさがわかるだろう。これは完成まで莫大な金額と年月を要したドイツ鉄道肝いりのプロジェクトだ。そして、多くのインフラがパンク寸前になりつつある現在ほどこの新路線の開通が待ち望まれた状況はない。

しかし、この特別運行のICEは予定通りベルリンに到着したものの、再びミュンヘンに向かう復路でトラブルに見まわれ、途中エアフルト付近からストップアンドゴーを繰り返しバンベルクで立ち往生してしまった。祝賀ムードの中、意気揚々と新たなドイツ鉄道の姿を披露するつもりが、結局予定よりも2時間以上も遅れてミュンヘンに到着すると言う失態に世間の失笑を買っている。完全に出鼻を挫かれてしまったと言えるだろう。

まあ、これもいつものドイツ鉄道がそのまま出たとも言える。計算は得意ではないので合ってるのか知らないが、そもそも、現在のドイツ鉄道の定時運行率が8割以下、10月に至っては74,3%なので、往復で列車に乗った場合5割近くの確率で往路か復路のどちらかで遅延に出くわすということになる。乗り換えなんかするとまず予定通りに行かないと思った方が良い。もはや遅延するドイツ鉄道が悪いと言うよりも、遅延を計算に入れていない利用者の方が悪いと言う常識が以前から出来つつある。

しかし、さすがにこの重要な賓客、ジャーナリストを乗せた一発目の特別運行を2時間も遅延するのは情けないと言う以外に無い。それでも価格だけはしっかり上げるのだから、こんな低レベルな割にはよほど需要は高いと見える。

確かに私の立場から見てもミュンヘン〜ベルリン、或いはミュンヘン〜エアフルト、ライプツィヒ、ドレスデンなどの新路線に関していえば、飛行機や車での移動より確実にメリットが大きくなるので、遅延に目を瞑ってでも今後確実に利用するだろう。空の便がルフトハンザの独占状態の今、飛行機のチケットもそれに伴って若干でも安くなっていく事が期待される。また、国外からでもドイツ鉄道やルフトハンザに抵抗できるような競争相手の出現を期待したい。そうでも無ければ、両者の殿様商売は今後も続いていくだろう。