なぜかネオナチの暴力事件が多いザクセン州

ドイツは全部16の州から成り立っており、その中でザクセン州という所がある。この州は旧東ドイツの州の中でも人口も多く、経済的な発展が著しいことで知られている。例えば州都のドレスデンは私も言ったことがあるが、旧市街のバロック式の建物が非常に美しい観光都市だ。

また、ライプツィヒはザクセンで最も多くの人口を擁し、その地理的な利便性から東ドイツ方面への交通の要項としての発展が期待されている。さらにザクセンはドイツの中でも教育水準が高いことで知られており、それはドイツで最も経済的に豊かなバイエルンやバーデン・ヴュルテンベルクを凌ぐほどだ。

そのザクセンであるが、実はこの州はなぜか極端にネオナチが絡んだ暴力事件や外国人の排斥運動が多いことでも知られている。特にドレスデン周辺はその傾向が顕著だ。州の大臣もそのことを認めており目下の所見過ごすことのできない問題となっている。例えば先週もバウツェンという街でネオナチと思しき過激右派と難民との衝突事件があり、100人の警察部隊が投入されるという大事になった。

どのような経緯でこのような醜い争いに発展したのか詳しくは知らないし、もちろん難民側にも多かれ少なかれ非はあるのは間違いないが、警察によると難民20人程度に対し、過激右派は80人でどう見ても喧嘩をヤル気満々で、街の中央広場に繰り出してきたらしい。

なぜザクセンでは極右勢力が強く外国人に対して敵対的なのかはここ最近頻繁にメディアで議論されているテーマの一つである。どうやら教育や歴史などが複雑に絡みあって出来た風土らしく、他の東ヨーロッパ諸国と同じように旧東ドイツはもと共産主義という閉鎖的な社会で、外国人と共生する機会も少なかったんだろう。

同じドイツでも4人に1人が移民背景を持つミュンヘン周辺とは全く異なる社会を形成していることは明らかだ。ザクセンが何を持って教育水準が高いと言われているのか知らないが、外国人が嫌でも暴力で解決する連中が多いのはその教育にも問題があることが明らかだろう。

もちろん外国人に対して暴力的な連中は少数ながら何処にでもいるので、ことさらザクセンを敬遠する必要はないし、大多数の人間は考え方は違っても良識のある人たちだ。ただ、私のように一般人の移民として外国に住んでいる人間は、例え誰も口に出さなくても必ずしも歓迎されているわけではないという事は自覚しておく必要がある。現地の言葉を話し、社会のルールや法律を守り、そして価値を生み出す経済活動をしたりして、それでやっと自分の身の回りの人間が認めてくれる程度だ。

しかし私の見る限り、自国の同胞だけでゲットーを作り現地の人間を馬鹿にしたり非難している移民は残念ながら多い。情報や移動手段が発達し経済活動もグローバル化し、好むと好まざるに関わらず異なる民族と関わる事は必然的に多くなっていく世の中で、移民になる側もそれを受け入れる側もそれに適した教育を受けておくことが必要だろう。当然だが人種差別は悪である事と、異なる民族及びその文化社会は多種多様でそれに対し敬意を持って接することは一般常識として教えておくべきだろう。