新型コロナ騒ぎの傍で復活した「難民問題」

当初は対岸の火事のような扱いで大した話題にもならなかった新型コロナだが、イタリアで感染者が大量発覚して以降、急に「エピデミックの始まり」みたいな事を健康相のシュパーンが言い始めた。すると何が起こったのかドイツの感染者数も急増し、今ではおよそ500人を超える事態となっている。まあ、最初から結構な感染者がいたのだろうが、ドイツ政府もパニックを避ける為に意図的に検査を避けていたと推測される。どこの国もやる事は同じだ。

いずれにしても現在ではメッセなどの大規模イベントは軒並み中止、或いは延期となっているのは勿論、一部では買い溜め行為も散見されるなど、生活へ影響は計り知れない。厄介な事態になってきた。

そして、この新型コロナ騒ぎの最中、更にドイツにとって厄介な問題が発生している。2015年の夏に大量の難民がEU、とりわけドイツを目指して殺到し国際問題に発展した事は既に皆が知る所であるが、現在再びトルコとギリシャの国境に難民がEUを目指して殺到する事態となったからだ。あの世間を騒がせた「難民問題」が再び大きな政治テーマになりつつある。

何故、ここにきて難民問題が復活したかと言えば、2016年に締結されたEUとトルコによる難民協定が瓦解したからだ。簡単に言えば、EUは違法な難民の流入を抑制する為に、トルコに金を払って難民を引き受けてもらう協定を結んでいた。この効果もあって2016年以降難民の数は激減した。

しかし、最近トルコはEUがこの協定を守っていない、とりわけ約束の金を払っていないとして怒りをぶち撒けており、およそ一週間前に遂に難民にEUへの国境を開放した。とりわけ、トルコ大統領エルドアンの怒りの矛先はドイツ首相メルケルに向けられている。このトルコの主張がどれ程的を得ているかは相当の議論の余地がある模様だが、いずれにしても、これでドイツをはじめとしたEU諸国は再び難民問題と対峙する事になった。

この状況をどのように解決するか現在国内で議論されているが、現段階で直ぐにこれらの難民をドイツが受け入れる事は無いだろう。もっとも、現在ギリシャ国境で立ち往生している難民は保護されなければならないので、現地に向けて支援が送られる事が前提になる。EUは当然トルコと再び交渉のテーブルにつき、解決を模索しなければならない。

一方、ドイツ第一放送(ARD)のアンケートによると、国民の57%はギリシャの国境を解放し、難民を受け入れEU内で分配するべきだと回答し、41%がこれに反対となっている。2015年のような制御不能な難民の流入は繰り返してはならないと言うのがドイツの一般的な姿勢でもあるが、国民の難民受け入れに対する抵抗は以前より低くなっている事が窺える。

おそらく、現段階では不可能でも今後EU内で話がまとまれば、ある程度の難民をドイツが再び受け入れる事になるだろう。既にドイツの幾つかの州は、子供及び若年層の難民を受け入れる意向を示している。

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