ベルリン新空港、不安視される2020年10月の開港

ドイツの歴史的失敗プロジェクトの呼び声も高いベルリン新空港の建設であるが、ここに来て再び新たな情報がメディアに登場するようになった。ドイツの首都に肝いりで2006年に建設が開始されたこの新空港は、当初の予定であれば2012年に開港の予定であった。しかし、数々の有り得ない設計ミス、建設上の問題が浮き彫りになり未だに開港していない。最近の情報によると2020年10月に開港予定との話だった。

しかし、ここに来てその2020年の開港も危ぶまれている。これはTÜVと呼ばれるドイツの技術検査協会の報告書から明らかになった。TÜVは機械や設備が安全かどうか認証を行う機関であり、身近な例では車検も行なっている。

それによると、非常灯及び非常用電力供給用のケーブルに多数の欠陥が確認され、これを修正するのに多数の人員を動員しターミナルの取り壊しが必要になるとの事だ。因みにこれらのケーブルは既に2012年の開港を延期した際に新しく取り替えられたものだそうだが、再び交換すると言うことか。

この問題は3月の時点で既に空港運営側から発表があったものだが、さほど大きな問題ではなく2020年10月の開港を危ぶませるものではないと言われていた。しかし、今回の報道によるとその欠陥の数は3月の空港運営側の発表の4倍に及ぶ。

更にケーブルを固定するプラスチックプラグや火災報知器などに欠陥がある模様で、空港の全ての欠陥を予定通りに取り除く事は難しいとされる。2020年10月の開港も危ういと言う憶測が再び立ち始めた。

これに対し空港運営側は予定通りの開港は問題ないと反論している。当然だろう。これまで散々あり得ない失敗で開港を延期してきた上に、今度の予定の開港まで1年半の時点で早くも白旗を上げる訳には行かない。どんな手を打ってでも実現する必要がある。

因みにこのスクープを出したのはベルリンの”Tagesspiegel”と呼ばれるメディアであり、私はこのメディアの記事は殆ど読まないので、その信憑性は定かではない。Tagesspiegelはゴシップ紙には見えないが、ベルリン新空港に関しては寧ろブラックジョーク的に取り扱っている記事もあり、やや誇張したこれ見よがしの報道の可能性もある。本当に再び延期されるかは、まだ定かではない。

しかし、この状況には国も業を煮やしている模様でドイツ交通省は空港運営側に対し、4月17日までに開港予定期日について「はっきりとした態度表明」を要求したとされる。これを報道したのはゴシップ紙のビルトだが、各メディアがこのニュースを引用し注目が集まっている。