ドイツ、ホームで北マケドニアに敗れる番狂わせを許す

昨日はW杯予選であるドイツvs北マケドニアが行われた。ドイツは既に日曜日に今回の予選で最も強敵と思われたルーマニアを1-0で下している。この試合はチャンスをことごとく外しまくり、終盤お約束のドタバタ守備であわや同点かと思われる辛勝ではあったが、全体的にに見れば及第点の内容を見せた。3ヶ月を切ったEUROに向けてチームを立て直しつつある印象である。

故にこの北マケドニア戦に関しては相手が格下と言う事もあり、私はドイツがあっさりと勝つと思い込んでいた。実際に試合が開始すれば、序盤にゴレツカが決定的なシュートをポストに当てるなど、ドイツが圧倒的に攻め込み圧勝の様相を呈している。私はもはや15分程度で観戦を辞めた。

しかし、今日ニュースを見れば1-2で敗れているではないか。今日は4月1日、もしも誰かに「ドイツが北マケドニアに負けた」と言われればエイプリルフールのジョークだと思うだろう。しかし、ざっと報道やハイライトを見る限り、実際に酷い試合だった模様である。

まずはドイツのスタメンについてだが、レーヴはこのW杯予選、中2日の3連戦をほぼ同じメンバーで通した。これはレーヴにしては非常に珍しい采配であるが、この後EUROまでテストマッチがない事を考えれば理解し得る。当然ながら出来るだけ同じメンバーで連携を高める必要があるが、一方で選手に疲れがあったのは紛れもない事実だろう。

この日は前回のルーマニア戦同様の決定力不足がやはり問題と言われており、その中でも後半ヴェルナーが正面からほぼガラ空きのゴールにシュートを外したのは、通常ならあり得ない大チョンボである。これは2006W杯で当時の日本代表、柳沢が同じくガラ空きのゴールを外したミスに近い。

更にその直後にドイツは勝ち越しゴールを許したものだからヴェルナーにとっては尚のこと痛い。これによりヴェルナーは勝利をもたらした名誉市民としてマケドニアのメディアから讃えられるというブラックジョークの対象になった。最近は所属するチェルシーでも絶不調らしいが、今回のミスで更なるどツボにはまらない事を祈る。

しかし、私が心配しているのは決定力不足よりも、寧ろこれまで散々指摘されていたザルな守備陣である。この日に喫した2失点ともゴール前で数的優位を保ちながら正面からフリーでシュートを許しており、本当にやる気があるのか疑わしくなる。更にはコーナーキックからチャンのハンドが見逃された事は、ドイツにとってラッキー以外の何者でもなかった。

まあ実際には、3連戦ほぼ同じメンバーで戦った疲れに加えて、北マケドニアを舐めていたといった方が正しいだろう。因みにドイツがW杯予選で敗れるのは20年ぶりとなる。かつてはどんなに出来が悪くても、格下には絶対に取りこぼさない堅実さがウリのドイツだったが、それも過去の話になっていると言う事だ。